絹織物作家 深石美穂 「川平織」

深石美穂さんは、学生のころ八重山にバックパッカーとして訪れ、

豊かな自然に魅了されました。

卒業後、沖縄に渡り「みんさー織」「手結織」等の伝統技術を学び、1982年には石垣島に

「からん工房」を開設します。

製品制作と並行し、技術や染料材料となる藍等の研究・勉強を継続。

1984年には生繭から生糸を作る『座操り』も学んでいきます。

様々な技術の結晶として織り上げられ「川平織」が誕生しました。

【紫陽花】

(着尺「紫陽花Ⅱ」の特徴を深石美穂先生の説明で紹介致します)

ハタ掛け状態の時点で花綜絖を吊るす奥行には限界があります。10~12枚ぐらいでしょう。

この作品では巾に二玉の大きな花柄が、2個、3個、2個、3個と繰り返して散らしてあります。

通常ですと16枚の花綜絖を要し、奥行きが長くなりすぎて織れないのです。

そこで一工夫して左右8枚の巾着の花綜絖を用いています。踏み下ろす足元にも特殊な装置を加えて織りました。

おそらく他工房では見られないと思います。

この作品の様に左右に花柄が片寄っている花織布はないはずです。

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