着尺「紫陽花Ⅱ」の特徴を深石美穂先生の説明で紹介致します。
ハタ掛け状態の時点で花綜絖を吊るす奥行きには限界があります。10~12枚ぐらいでしょう。この作品では巾に二玉の大きな花柄が、2個、3個、2個、3個と繰り返して散らしてあります。通常ですと16枚の花綜絖を要し、奥行きが長くなりすぎ織れないのです。そこで一工夫して左右8枚の半巾の花綜絖を用いています。踏み下ろす足元にも特殊な装置を加えて織りました。おそらく他工房では見られないと思います。この作品の様に左右に花柄が片寄っている花織布はないはずです。
幅39㎝ 長さ11m93cm